Soaring into Jiro's Sky: My Favorite Flight Route

JIROの空になる-大好きな飛行ルート-

2025.8.12 JAL3567 福岡 FUK 18:25発 → 徳島 TKS 19:25

大好きな大切なふるさと久留米の上空を旋回して徳島へ向かうルート。「藍」で約200年繋がってきた久留米と徳島を繋ぐ旅。

たまにこのルートで東へ向かうのだが、いつも秘かにこのルートになるかならないかドキドキしながら離陸を待つ。

離陸後、福岡を南下し始めて佐賀の基山あたりの山を越えて、向こう側に大好きな筑紫平野が広がり始めるころ、

どきどきと視線が探し始める。雄大に揺蕩うJIROを。九州一の大河 筑後川を。日本三大暴れ川 筑紫次郎を。

前日までの大雨で河川の水位は上がり、上流からの濁々したカフェラテ色の水をたくさん運んでいるので、いつもよりすぐに捉えることができた。

その上空を飛ぶこと、ほんの数分。向こう側にはきらめく有明海。

この大切で愛おしい時間に、悠久の物語に想いを馳せる。

約2万6,000年かけて、耳納連山が断層のズレから隆起して、高いところから水が流れ出したのが始まり。少しずつ土砂が堆積していって、広大な筑紫平野を形成していった。その地で、人々が暴れん坊次郎の、命の水を運ぶ大河のそばで営みを紡いできた。自然との共存は時として厳しさもあり、また、政の影響も存分にあったであろう。その中でも人々は「いかに楽しくいきるか」と智慧を凝らし、工夫を重ねながら、この地の衣食住の在り方をカタチづくってきた。少しずつアップデートしながら。

その中で生まれてきたのが、いまの織物文化に繋がる久留米絣(くるめかすり)や、日本独特の染め文化である藍染め JAPAN BLUE
次郎が暴れるから、その度にミネラルをまき散らすから、豊かな土壌が育まれて綿花や藍がもりもり育って、久留米絣や藍染めが盛んになった。

そのバトンを少しだけかもしれないけれど、気づいたら受け取っていて、IKI LUCAとともに、ここからの新しい100年へと繋いでいこうとしている自分。

徳島の藍で染めて織りなす久留米絣でつくるIKI LUCAのJAPAN BLUEシリーズ(ワンピースや羽織り、パンツなど)は、徳島の藍染めのものを求めている方に好評いただいているようで、少しは藍が紡いできた久留米と徳島の物語を繋ぐことができているのかな、と感じたり。

命の水が巡り、山に、大地に、降り注いで、次郎に流れ込んで、有明海へと流れ出て、蒸発してまた空に還って、雲になる

だから、空も次郎の流域だな、と気づかせてくれた最近の出会いもあり

ほんのわずかだけれど、JIROの空の一部になった私は、そんなことたちへ想いを馳せながら、4年目となる徳島の阿波踊りへと向かった。

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